FXの世界は、一見すると未知の言葉と複雑な理論で満ち溢れているように思えます。
その中でも、「ソーサートップ」と「ソーサーボトム」は、初心者から上級者までトレーダーがしっかり理解しておきたいチャートパターンのひとつです。
しかし、これらのトレンドパターンを正確に見分けることは容易なことではありません。
さらに、市場は常に揺れ動き、うまく行くと思ったトレードが、まるでだまされたかのように逆転することも。
本記事では、ソーサートップとソーサーボトムを見分ける方法、これらを活用した実践的なトレード手法、そして、市場のだましに対応するための対策までを解説します。
投資の舞台で成功を収めるための秘訣を手に入れ、一緒に新たなステップを踏み出しましょう。
ソーサートップ・ソーサーボトムとは
ソーサートップやソーサーボトムとは、天井圏や底値圏、およびトレンド継続の節目で発生する、お皿のような形のチャートパターンのことです。
これらは合わせてソーサーフォーメーションとも呼ばれ、ここで相場の方向が調整されていく状態を示唆します。
一見、持ち合いのように見えてしまいますが、より強い指向性を持っているのです。
- ソーサートップ
上向きの円弧を描くパターン。上昇中の天井圏で出現したらトレンド転換、下降中に出現したらトレンド継続の調整局面として機能します。 - ソーサーボトム
下向きの円弧を描くパターン。底値圏で出現したらトレンド転換、上昇中ならトレンド継続です。
いずれも形状が緩やかなため、他のトレンド転換のパターンに比べて気付くのが遅れてしまうケースがあり、いち早く発見することが肝心です。
ソーサートップ・ソーサーボトムの種類と見分け方
ソーサートップやソーサーボトムの1つの特徴が、呼び名が非常に多いことです。
たとえば、「ダブルトップ」は、誰が言っても「ダブルトップ」でしょう。
あるいは「三尊」ならば「ヘッド&ショルダーズ」という言い方もありますが、概ね日本語と英語で1つずつあれば充分なのが、一般的なチャートパターンです。
それに対してソーサートップやソーサーボトムには様々な名前が当てられています。どのような呼び名があるか、見てみましょう。
ソーサーフォーメーションの様々な名称
日本では、天井圏でのソーサートップを「団子天井」、底値圏でのソーサーボトムを「鍋底」と呼ぶ言い方があります。
トレンド中での出現に対しては、特に用語はないようです。
英語では、お皿から名前を取った「ソーサートップ」や「ソーサーボトム」が筆頭です。
これらをまとめて「ソーサーフォーメーション」とも言うこともあります。
その他の言い方としては、チャートが丸い形を描くことから「ラウンドボトム」や「ラウンドトップ」、まとめて呼ぶと「ラウンディングターン(円形転換)」。
さらに、同じ食器でもソーサーではなく「ボウル」と言ったり、取っ手のようなチャート形状が続いた場合は、「カップウィズハンドル(カップアンドハンドル)」や「フライパン」とも言われます。
「カップウィズハンドル」になると果たしてこの半円状の形が「お皿」なのか、その上に乗った「カップ」なのか?形容する物品自体が変わってしまうわけです。
なお、この取っ手部分は「プラットフォーム」と呼ばれています。エントリーポイントを見つけやすいため、好む人の多い形です。
このように類似している形に対し、見る人によって様々な言い方があるため、書籍や記事によっては多少の混乱も見受けられます。
これらを整理すると、下記にようになるでしょう。
- なだらかなアーチを描いたチャート(浅め・平ら)
ソーサーフォーメーション(ソーサートップ、ソーサーボトム) - なだらかなアーチを描いたチャート(普通、丸み)
ラウンディングターン(ラウンドトップ、ラウンドボトム) - なだらかなアーチを描いたチャート(深め、U字)
ボウル - ボックス型の取っ手が付いた場合
フライパン - 丸みのある取っ手が付いた場合
カップウィズハンドル(カップアンドハンドル) - 和名
団子天井、鍋底
ただし①〜③での深さについては、明確な定義がないため、あくまで言葉からのイメージです。
基本となる形状
先ほど分類した中でも、実践的なパターンとして人気があるのがカップウィズハンドルです。
この形状をソーサートップやソーサーボトムとして紹介している場合もありますが、正確には、ソーサーフォーメーションのバリエーションと言えるでしょう。
つまり共通する本体があり、本体のみの場合はソーサーに、取っ手がついた場合はカップになるという理解になります。
本体部分=ソーサーフォーメーションの特徴は、細かい上下の動きを反復しながら、ゆるく弧を描くようにチャートを形成していくことです。
そのため、前半部分だけでは判断しにくくなっています。
たとえば、チャートに鋭角な山が出現したら、そのまま落ちるかダブルトップやトリプルトップになるか、待ち構えることもできるでしょう。
しかし、ソーサーフォーメーションは緩やかなので、「気が付いたら完成していた」ということもありがちです。
見極めが難しいのも、このチャートパターンの性質と言えます。
たとえば、底値圏だと、上下に動きながら進んで行く中で、部分的に小さなダブルボトムや逆三尊などに見える形が出るかもしれません。
また、逆に広く見た場合、上下動が小さく明確な山や谷がないので、ネックラインが分かりにくい場合もあるでしょう。
さらにチャートを形成する時間が短いと、それだけ幅が短くなり、意識する前に反転してしまうことも考えられます。
このように基本となる形状はシンプルでも、確実に見極めようとすると、奥が深いのです。
取っ手付きのカップウィズハンドルの人気が高いのも、「気が付いたら完成していた」場合でも、そこから続く「取っ手部分」でのエントリーが間に合う部分があるでしょう。
ソーサーボトムとは
ソーサーボトムは、幅広い「U」字の形状をしているパターンで、主に底値圏で出現しますが、上昇トレンドの中盤で見られることもあります。
揉み合い相場の一種ですが、水平方向に移動していくレンジ型ではなく、下値が緩やかに張り出していくのが特徴です。
ソーサーボトムは、その前半ではそれまでのトレンドを落ち着かせ、目立った谷や反転を見せずに横ばいで推移します。
そこから少しずつ下値を切り上げ、緩やかな円形を描きながら、終盤にハッキリとした上昇傾向を見せていくのが基本的なスタイルです。
その際、出来高の増加をしっかり伴っていることも条件のひとつになります。
出来高の裏付けがないと、だましの可能性も出てくるので、注意しましょう。
終盤で上昇が生じた後は、そのまま上がっていくケースもありますが、売り勢と買い勢が拮抗して相場の流れが止まることもあります。
するとそこでの長さや形状によって、カップウィズハンドルやフライパンと呼ばれるようになるわけです。
ここで反発を受けて動きが一旦止まった状態を、プラットフォームと言います。
プラットフォームが形成されている状態では、ソーサーボトムが完成したとは見なされません。
ここを上方向にブレイクしてさらに上昇が進むと成立したことになりますが、下抜けしてしまうと不成立で終わります。
なお、ソーサーボトムは他のチャートパターンと複合することもあります。
たとえば、ダブルボトムやトリプルボトムの最後の谷がソーサーボトムになっている時などです。
そのように広く捉えると、より見つけやすくなるでしょう。またネックラインが共通するので把握しやすくなるのもメリットです。
なお、ソーサーボトムは底値圏だけでなく、上昇トレンドの中盤でも出現することがあります。
そこではしばし下向きに転じるので売りのチャンスに見えますが、最終的には上昇することが多く、実は押し目買いのサインです。
これは「相場の流れを受け止めて調整する」ソーサーフォーメーションの機能がトレンド中盤で発揮されるケースで下降に向かった流れを逆転させて、上昇基調に変えています。
下向きに回れば上向きに転じ、上向きに回れば下向きに転じるのです。
ソーサートップとは
ソーサートップはソーサーボトムの反対版で、主に天井圏で出現しますが、下降トレンドの中盤でも見られます。
前半ではそれまでの流れを受け止めながら、特に大きな山や反落を見せず、確度を緩めます。
そして中盤で水平を形成すると、そこから回り込むように下降に転じ、終盤でハッキリとした下落を見せて行くのが特徴です。
そのままストンと落ちる場合もありますが、ソーサーボトムと同様、もみ合うプラットフォームを形成することもよくあります。
プラットフォームを下方向にブレイクすると成立しますが、上に抜けしてしまうと不成立です。
下降トレンドの中盤で出現した場合、前半は上向きに転じるので買いのチャンスに見えますが、最終的には下落するので、戻り売りのサインです。
逆張りが好きな人は、負けやすいポイントになるので注意しましょう。
ソーサートップも、ダブルトップやトリプルトップなど他のチャートパターンと複合することがあるので、必ずしも単独で見つける必要はありません。
また、ソーサートップが途中で崩れ、ダブルトップやトリプルトップのように見えてしまうこともあります。
チャートパターンとしてどちらをメインにするかは主観の問題になりますが、どちらの方がネックラインをしっかり取れるかや、山の大きさなどから判断すると良いでしょう。
ソーサートップ・ソーサーボトムのエントリーポイント
ソーサーフォーメーションの基本的な形状が分かったところで、実際のエントリー方法について見ていきましょう。
一般的には、ネックラインをブレイクした瞬間が主なエントリー候補となります。
次いでネックラインへの切り返しと、再度トレンド方向に戻った時も候補です。
また、利益確定や損切の目安は直近の高値や安値となりますが、明確なターゲットが見つけにくいという問題もあります。
実際にそれぞれのパターンで解説しましょう。
ソーサーボトムでのエントリー
形状として理解しやすいソーサーボトムから、そのエントリーポイントを見ていきます。
ソーサーボトムでのエントリーは、その完成を待ってからが基本です。
比較的時間をかけて形成されていくので、その途中で動きたくなってしまうかもしれませんが、完成するまではひたすら「待ち」の姿勢を取りましょう。
理想はボトムが形成された時点ですが、角度がゆるくて分かりにくいのが難点です。
また、不成立となって再び下落するリスクがもあるので、おすすめできません。
確実性が高いのはネックラインを超えた時点です。ネックラインの引き方にも2種類があります。
ソーサーボトム本体のネックラインと、プラットフォームが形成された場合のラインです。
まずソーサーボトムに対するネックラインは、起点となる位置から引いた水平線となります。
ここを素直に上抜けした場合は、①がエントリーポイントです。
しかし、抜けずにプラットフォームに移行し、そこに別のネックラインが引けた場合、②が次のポイントになります。
さらに①と同じ水準を抜けた③と、そこから反転してレジサポ転換に接触した④も押し目買いのチャンスです。
さらに初回の反転ラインから再びトレンド方向に抜けた⑤が、最後のエントリーポイントになるでしょう。
④と⑤は、①で素直に抜けた場合も同じく、エントリーポイントになります。
ソーサーボトム本体と違ってプラットフォームではネックラインが引きやすく、時間的な余裕もあるので、よりエントリーしやすいでしょう。
場合によっては、ソーサーボトムのネックラインが、そのままプラットフォームのネックラインになることもあります。
するとラインが統一されるので分かりやすくなり、見極めもしやすくなるはずです。
恐らく、この形(カップウィズハンドル)がソーサーフォーメーションにおける最良のパターンとなります。
実のところ、この時点になって初めてネックラインが明確になるケースもあり、確信を持ったエントリーにつながるからです。
ソーサートップでのエントリー
ソーサーボトムで説明した各ポイントの逆パターンとなります。
まず、ソーサートップに対するネックラインを超えた①が、最初の売りポイント。
抜けずにプラットフォームが出来たら②、次いで③のラインを明確に抜けた時。
さらに①の場合も含めて、④での戻り売りと、再びトレンド方向に抜けた⑤がエントリーのチャンスです。
ダブルトップやトリプルトップなどと複合されている場合は、それらのネックラインがそのまま流用できるのもメリットになります。
エントリーしない方が良い場合
ソーサーボトムやソーサートップに限った話ではありませんが、形が崩れていたり、最終的にしっかりとラインを抜けない場合は無理せず見送りましょう。
とくに天井圏や大底では、安易にエントリーしてしまうと、逆向きに動いた場合に大きな痛手を受けてしまいます。
またプラットフォームで長い揉み合いが発生すると、その終了を待てず、見切りでエントリーしたくなってしまうものです。
しかし、実際にどの方向に抜けていくかは、上下いずれかのラインを明確に抜けるまで分かりません。
もしも期待する逆方向に抜けてしまった時は、すぐにそれを認めて、対処をしましょう。
ソーサーボトムやソーサートップはジリジリと進むため、後半部分やプラットフォームでジリジリと重要なラインを割り込んでも、うっかり鈍感になりがちです。
しかし一旦そこを抜けてしまうと、一気に相場が動く可能性が高まります。
それが逆方向だったら取り返しがつきませんので、チャートパターンが完成しなかった場合は、すぐに見切りを付けましょう。
ソーサートップ・ソーサーボトムを使ったトレード手法
エントリーポイントが分かったら、次は利益確定や損切りなどのターゲットを押さえましょう。また、注意したいポイントもお伝えします。
- 利益確定や損切りのポイント決めは難しい
- レジスタンスラインに注目しよう
- 上位の時間足も確認する
- 乗り遅れても大丈夫
利益確定や損切りのポイント決めは難しい
通常、チャートパターンを使ったエグジットポイントの算出には、ネックラインと山や谷との値幅などを使います。
たとえば、幅の大きなレンジ相場やダブルトップなどの形状ならばエグジットポイントを見つけやすく、期待できる値幅も十分です。
しかし、ソーサーフォーメーションでは起点が見つけにくかったり、形状によっては上下幅が薄く、王道的な求め方では狭い利益幅しか取れないこともあります。
もちろん、この考え方は間違ってはいませんが、実際には、そうした計算方法よりも大きな値幅で動くこともあるのです。
そのためトレンド転換という方向性は読めても、利益確定のラインをどこに置くかは、ソーサーフォーメーション単独では決められないという考え方もあります。
その代わり、移動平均線などのインジゲーターやチャートに引ける各種のライン、あるいは複合している他のチャートパターンを活用しようというものです。
一般的な方法である上下幅などを使うを使うのが良いか、他の方法で代替するのが良いか、一律に決めることは難しいと言えます。
充分な幅がある場合はそれを検討し、そうでない場合は他に良い方法があるかを検討する。
あるいは、損切りには一般的な基準を採用し、利益確定の方は他の方法を用いる使い分けもあるでしょう。
さらに現実的なのは、利益確定については二段階で設定することです。
まず上下幅を基準にしたポイントを第一決済地点とし、次に別の観点で作ったポイントを第二決済地点として、分割決済するよう設定します。
レジスタンスラインに注目しよう
ぜひ重要視しておきたいのが、より広い範囲で見た場合のレジスタンスライン(抵抗線)です。
過去に何度か同じ価格帯に挑むも反発され、なかなか突破ができない場合、そこに抵抗線が引かれます。
たとえば、トリプルトップなどで出来る天井ラインもその1つです。
時にはソーサーフォーメーションが、トリプルトップのように連続して出現することもありえます。
チャートがそうしたレジスタンスラインに近づくにつれて少しずつ勢いがなくなり、やがて円弧の形状を取ることがあります。
実は、これがまさしくソーサーフォーメーションです。つまり、抵抗線との距離を測ることで、パターンの先読みができます。
具体的には抵抗線に接近するに従って波の上下動が収まり、水平に移っていくようならば、ソーサーボトムやソーサートップに進む可能性が高いのです。
そして抵抗線に接触した後、そこを超えずに離れ出したら、いよいよソーサーフォーメーションの完成に向けてカウントダウンとなるでしょう。
逆に抵抗線を超えてしまったら、チャートパターンが否定されます。
ここを超えなければトレンドは転換、超えたら継続の可能性が高まりますから、レジスタンスラインは損切りラインの基準としても使えます。
上位の時間足も確認する
抵抗線を引く場合、上位の時間足も見て、できるだけ広い範囲で俯瞰しましょう。相場の環境把握は何よりも大事です。
うまくレジスタンスラインなどが引けない場合、相場が不規則な状態やレンジ相場に陥っている可能性があります。
ソーサーボトムやソーサートップは相場を落ち着かせる場面で出現するパターンですから、無理に当てはめない方が安全です。
また先ほどの説明のように近くにレジスタンスラインがあれば分かりやすいのですが、少し離れた所に強固なレジスタンスラインが存在することもあります。
その場合、本当のトレンド転換はそちらを基準に起きる可能性もあるので、事前に確認しておきましょう。
乗り遅れても大丈夫
気が付いたら反転しているケースもあるソーサーフォーメーションですが、エントリーするのは、それからでも遅くはありません。
特にプラットフォームが付いた場合は、先ほども見たように、ソーサー(カップ)部分が終わってからの方がエントリー機会に恵まれます。
また利益確定のターゲットが掴みにくいのは難点ですが、逆に言うと大きな伸び代が期待できるとも言え、後から追っかけで波に乗っても間に合う可能性もあるでしょう。
もちろん常に損切り設定は必要ですが、スルスルと進んだチャートパターンのように、その後の伸びもスルスルと進む期待が持てます。
大きなジグザグが出来るチャートパターンに比べて、多少エントリーポイントがズレても挽回しやすい傾向があるのが、ソーサーフォーメーションの特長です。
無理に押し目や戻り売り、逆張りのタイミングを追いかけるより、流れに乗った順張りエントリーがおすすめです。
ソーサートップ・ソーサーボトムのだましの回避方法
どのようなチャートパターンでも「だまし」を完全に排除することはできません。
ソーサートップやソーサーボトムでも、教科書通りの展開にならず、逆目に出てしまうこともあります。
そのため損切りも必須となりますが、エントリー前に回避できればそれに越したことはありません。
ここでは、だましに引っかかる確率を下げる方法をいくつかご紹介いたします。
- 焦って判断せずに少し待つ
- 他の指標や分析手法でもチェックする
焦って判断せずに少し待つ
急な値動きを伴うチャートパターンでは、エントリーするタイミングがずれると、期待できる利幅が損なわれてしまいます。
そのため、だましに遭うリスクをある程度は許容しながら判断していかなくてはなりません。
しかし、ソーサートップやソーサーボトムの場合、「乗り遅れても大丈夫」と書いたように、必ずしもそこまでシビアにならなくても大丈夫です。
もちろん的確にエントリーポイントを捉えた方が利幅は取れますが、ネックラインを超えてすぐにエントリーすると、どうしてもだましに遭う危険も高まります。
少なくとも時間足の実体が完成するのを見届けてからエントリーするようにしましょう。
またプラットフォームが出現すると一定のレンジ相場となりますが、短期的に見ると、これがだましに見えてしまうこともあります。
これも落ち着いて相場と対すれば、焦ってエントリーしてさらに慌てる、などということにはなりません。
他の指標や分析手法でもチェックする
そもそも見極めが難しい面のあるチャートパターンです。
テクニカル分析やファンダメンタルズ分析など他の手法を併用することは、全体的な相場状況を把握することはもちろん、だまし回避にも寄与します。
むしろエントリーポイントの決定に関しては、それらを補助的する目的で使う方が有意義かもしれません。
ここではソーサートップやソーサーボトムと相性の良い分析方法をいくつかお伝えしておきます。
移動平均線
どんな分析方法とも組み合わせられるのが移動平均線です。
ゴールデンクロスやパーフェクトオーダーを伴っていれば、エントリーにおける大きな根拠となるでしょう。
特にネックラインと重なるようにして追い越していった場合、トレンド転換を示すパターンが重なるので、タイミングを測りやすくなるはずです。
RSIなどのオシレーター系インジケーター
主にレンジ相場で真価を発揮し、買われ過ぎや売られ過ぎなどの過熱感を数値化するのが、オシレーター系のインジケーターです。
ソーサートップやソーサーボトム、あるいはそれに続くプラットフォームは、一種のレンジ相場に近いと言えます。
そのため、オシレーター系のインジケーターによる分析手法も役立つでしょう。
本来の使い方であるレンジ相場内での売り買いに加え、方向性の切り替えに敏感なので、想定と逆方向に行ってしまうだましを避ける効果が期待できます。
ネックラインを割りそうになってもRSIなどが示す数値に大きな変化がない場合、折り返す動きよりも、そのまま進む可能性が高いでしょう。
トレンドとレンジ、双方の性格を持つMACD
MACDはオシレーター系とされますが、トレンド相場でも使える、使い勝手のよいインジケーターです。
ソーサーフォーメーションがエントリーポイントを示した時、MACDを参照することで、その確実性を測ることができます。
買いのポイントならば、MACDとシグナルがともに0ラインを上回っていたり、ゴールデンクロスしていたりすれば後押しになります。
売りの場合は、MACDとシグナルがともに0ラインを下回っていたり、デッドクロスしているかどうか確認しましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
「ソーサートップ」と「ソーサーボトム」の理解と適切な活用が、投資の世界で成功を収める鍵となります。
見分け方からトレード手法、そして市場のだましへの対策まで、一見難しそうなこれらの要素を分かりやすく説明してきました。
しかし、一番大切なのは、これらの理論を自身のトレードスタイルにどう組み込むか、ということです。
そして、何より、投資は一時的な勝利ではなく、継続的な学びと成長を経て得られるものであるということを忘れないでください。
市場は常に変化し続けます。だからこそ、投資家としても学び続けることが必要なのです。
この記事が、あなたの投資生活に新たな視点をもたらし、より良い結果へと導く一助となれば幸いです。
あなたの投資が成功につながることを心より祈っております。